わが夢と真実/復刻版 江戸川乱歩 東京創元社 平成6年4月20日 初版発行 |
面白し。もともとは昭和32年に出た本。それを復刻。カバーデザインが、いかにも時代を感じさせるもの。
カバーの見返しから引用(「カヴァー」という表記です)
彫刻 流 政之・撮影 村井 修
巻末には、きちんと既刊随筆評論集目録と人名索引あり。
造本も面白し。オリジナルの奥付をそのままコピーしてあるので、著者検印が白黒。その裏にある広告もよし。
自分で書いた原稿が掲載された切り抜きをスクラップしてあるので、そこからおこしたと自序にあり。中にも、それに関して書いており、詰まらぬマッチラベルなどを集めるよりも、自分自身に関することを集める方がいいに決まっているという主旨。
そのスクラップブック、出版され、古書価が高かったような。
出自から現在(昭和32年)までの自分を綴ってあり、極めて興味深し。他の編集者や作家によって読んでいた有名なエピソードが、オリジナルで読め、わくわく。
卒業後に職を転々としたこと、作家デビュー後に蒸発するように流浪したこと、下宿屋稼業、戦時中の自警団、戦後の飛び回るように出歩いていたことなどなど。
有名な作品の数々について。当初は「怪盗二十面相」としたところ、子ども向けの規制に「盗」という文言が引っかかったために「怪人」に変更下という話などなど。
小林信彦氏がエッセイで書いていた逸話を思い出しながら、戦後編を読了。
しかし、変な人だな。やっぱり。
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