[NO.781] 落語十一夜/写真集

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落語十一夜/写真集
橘蓮二
講談社
2008年5月20日 第1刷発行

 あとがきによれば、この写真集は2001年12月、講談社文庫から出版された『高座の七人』の続編なんだとか。写真家橘蓮二氏は NO.111『おあとがよろしいようで』と同じ方だったのですね。増補版が出ていたことすら存じませんでした。

 各噺家がそれぞれリクエストした相手の人が紹介文を綴っているというのも、へーえ。中にはその取り合わせが妙なところも。
柳家三三 山中秀樹
春風亭昇太 ラサール石井
林家彦いち 夢枕獏
林家たい平 テリー伊藤
三遊亭白鳥 木村万里
立川談春 高田文夫
柳家喬太郎 渡辺敏正
柳家花緑 鈴木聡
春風亭小朝 小沢昭一
笑福亭鶴瓶 松尾貴史
立川志の輔 堀井憲一郎


p109
「おお、落語でこんなことまでできたのだ」木村万里
途中略
 真面目に努力して、研鑽を積めばおいしい人生が待っている、というのはどこの教科書にも載っている。
 だが、それは文字通り教科書であって、現実じゃない。
 研鑽しても駄目なときは駄目、怠けていてもうまくいくときはうまくいく。
 子供にそうは言えまい。だから、努力すればいい結果が出る、と一応しておくだけの話だ。
 じゃあ、うまくいかなかった人はどうするか、楽しく「思いなす」しかない。
 動物と違って唯一人間に与えられた特技、「思いなす」。
 落語の楽しさはここいらあたりにある。

以下略