谷中スケッチブック/心やさしい都市空間/ちくま文庫 森まゆみ 筑摩書房 1994年3月24日 第1刷発行 1996年4月20日 第2刷発行 |
初めて森まゆみ氏の本を読んだのはいつだったか、思い出しています。おそらく建築探偵団で活躍しだした頃の藤森照信氏との対談をまとめたものだったのではないでしょうか。信州の農村で育った藤森氏と対照的に、谷中の歯科医院の娘さんだった森氏とのギャップが面白かった記憶があります。森氏が小学校へ通学するときに毎日見ていたという建物が、実は江戸時代に建てられた木造建築であることを藤森氏から教えられ、驚いていたのが印象的でした。後日、「江戸東京たてもの園」でその建物を見られ、嬉しかったものです。
本書は1980年代の谷中界隈を実際に歩いているように紹介してあります。それから20年。現在とは異なってしまったところもありますが、まだまだ谷中は健在。歴史的な背景を含め、説明されている路地裏を本書を手に回ってもいいかもしれません。有名な「夕焼けだんだん」命名のエピソードも出てきました。
ミニコミ誌「谷根千」も終刊まであとわずか。
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