[NO.695] ふるほん行脚

huruhonangya.jpg

ふるほん行脚
田中眞澄
みすず書房
2008年4月8日 印刷
2008年4月18日 発行

 著者の気の向くままに全国を回った記録。基本は都内中心。あとがきによれば、「みすず」に毎号書いている原稿、5年間、50回分をまとめたものだそうです。
 最近流行りの、古本買いまくり&ブログで公開、という方々のものとは違います。それだけに、妙にホッとさせられました。昔からあるタイプの本。

p9
 私 の古本屋歩きは定まった目的を設けない。当面、何が必要でもないのだから、ジャンルも問わない。世間の注目や専門的評価とも無関係。偶然そこにあって好奇 心を刺戟する本に出会う。むろん、安いに越したことはない。つまり、ありていに申せば、古本屋歩きは雑本の楽しみに尽きるのである。
 ここに著者の姿勢が記されています。特定ジャンルにこだわらない、というのが何より。けれども、必然的にある程度は好みが出てこないわけもなく、その辺も面白いところ。
 著者略歴に「映画史研究家」というのが、なんともはや。大学では国文学で修士課程修了とあります。さらにお生まれは1946年。まさに団塊の世代。このあたりがキーワードになって、本集めの傾向は類推できるのかな。

 みすず書房に、目次が掲載されています。