[NO.667] 〈狐〉が選んだ入門書/ちくま新書607

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〈狐〉が選んだ入門書/ちくま新書607
山村修
筑摩書房
2006年7月10日 第1刷発行

 〈狐〉こと山村修氏が亡くなってから、もうじき2年。本書が最後の著書。なんでも病の床で原稿に手を入れていたのだとか。そのことを知りつつ前書き(「はじめに」)を読むと、胸が詰まります。
 特に次の詩を紹介しているところは圧巻でしょう。なぜ、本を読むのか。
一 個の作品として光る本を読むことの幸福。そのことを考えるとき、私がいつも思い出す一篇の詩があります。フランスの作家ヴァレリー・ラルボーの書いた『罰 せられざる悪徳・読書』(岩崎力訳、みすず書房)に引かれた「慰め」という散文詩です。作者はローガン・ピーアソール・スミスというアメリカ生まれの詩 人、文法学者です。

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