廃墟大全 谷川渥 編 トレヴィル 1997年3月10日 初版発行 |
廃墟のイメージ満載。泰西名画の中に、ギリシア時代の廃墟跡が出てくるのが不思議だったのですが、どうやら流行だったのですね。わざわざ自邸の庭に廃墟を作ったりしていたという話に納得。
それって、日本でいうところのわび、さびとは違うのでしょうね。
目次
はじめに/谷川渥
ケープ・ゴットの渚で 生物と人工物の巨大廃墟を擦り抜けるネットランナーたち――ソロー以後のレッカー文学史/巽孝之
瞼の裏の宮殿 ――ポール・パークの記憶の聖墓/小谷真理
建築の「廃墟」、人体の「廃墟」 ――A・タルコフスキー『ノスタルジア』からD・フィンチャー『セブン』へ/滝本誠
死せる視線 ――写真の廃墟解剖学 1廃墟への憧れ 2戦争と廃墟 3デッド・デック 4死とエロス 5廃墟への融合/飯沢耕太郎
廃墟を前にした少年 ――七生報国の大楠公碑と、紅衛兵の拠点「円明園」/四方田犬彦
廃墟のメタモルフォーズ――パリ、サン・ジノサン墓地 レ・アールの噴水の下に潜む、あらゆる死体を食らい尽くしてきた廃墟/小池寿子
十八世紀ローマの廃墟をめぐる覚書 ――ビラネーシの時代/岡田哲史
サー・ジョン・ソーンズ・ミュージアム ――廃墟趣味と断片の美学/谷川渥
『ザ・ピクチャレスク』としての廃墟 ――十八世紀英国の美意識と人工廃墟/森利夫
『廃墟』とロマン主義 断片が生い育つ――ティーク、ノヴァーリスに見るロマン派の廃墟のモティーフ/今泉文子
フリードリヒ、ブレッヒェンにみる廃墟のテーマ ――その美的仮装(イロニー)と擬装(フェイク)の計略/岡林洋
真新しい廃墟 ――ノイエ・ザハリヒカイトの廃墟画/種村季弘
ピラネージなき中国 ――紙上の楼閣から廃屋まで――/中野美代子
リアルな廃墟 ――、ウィーン、神戸/飯島洋一
東京――〈1〉と〈2〉/椹木野衣
廃墟 ――鉱物と意識が触れ合う場所/日野啓三
廃墟総論 あとがきにかえて/谷川渥
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