酒日誌 坪内祐三 マガジンハウス 2006年10月19日 第1刷発行 |
2002年11月26日~2006年7月12日(連載期間)
p13
●二〇〇二年十一月二十六日 (火)
『ダカーポ』の新編集長Nさんと約束した新連載日記のタイトルの締切りの日。四年前から私は『本の雑誌』に「読書日記」(単行本版のタイトルは『三茶日 記』)という連載を持っていて、その連載と内容がかぶってはいけない。だから、昼の記述が中心である「読書日記」に対して、こちらは夜の部で行こう。しか し、コンサートの話などは今まで通り向こうの日記で書きたいから、夜の部といっても、酒の時間を中心で行こう。つまり、ドリンキング・ダイアリー(こうい うアイデアを我が家の「文ちゃん」に話すと、「文ちゃん」は、またツボちゃんの酒量が増えるのではないかと心配している)。
初回から奥様「文ちゃん」登場!
それにしても健啖家の上に肝臓が強い。これだけ飲み歩いて、食べる量もあきれるばかり。感心しました。毎回のように登場する『エンタクシー』のイキ君とのやりとりは、内田百間の『阿房列車』シリーズでのヒマラヤ山系君との関係を思い出させます。
飲み歩いた先々で出会った、たくさんの人名が登場します。最初は読み飛ばしていたのですが、あるページを読んでいて NO.535『椿實全作品』を先日、読んだばかりの椿實氏の娘さんである椿紅子氏 が登場したところで、はたと思い当たりました。ツボちゃんは意図的に交友録を残そうとしているのではないか? こりゃあ人名索引があるといいなあ! とこ ろが巻末を見てもありません。リアルタイムで出会った人々が面白いのです。一読目はイニシャルで登場する編集者たちに惑わされていました。つまり連続して 再読なのです。
椿紅子氏 が運営されている「椿實の書架」というサイトがあります。リンク、こちら
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