[NO.497] 文芸漫談 笑うブンガク入門

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文芸漫談 笑うブンガク入門
著者 いとうせいこう 奥泉光 渡部直巳
集英社
2005年7月10日 第1刷発行

 読み始め、慣れるのに戸惑いました。お客さんを前にして、お二方が漫談しています。それが、どうもムリをしているように受け取れてしまうのです。駆け出しの若手芸人風なんですね。きちんと、ぼけと突っこみを意識して。
 一気呵成に読んだわけではないので、しばらく時間をおいてから再び続きを読み出すと、また違和感を覚えてしまいます。売り出し直後の芸人さんが緊張しながらやりとりしているみたい。
 内容は真面目。きちんと思想的な分野から文学史的なところまで、触れています。まるで大学の講義。渡部直巳氏による脚注が詳細。20年以上前、「ニューアカ」ブームで大量に出回ったムックみたいです。
 内容も企画も悪くはないのです。それにしても、期待していただけに前評判ほどでは。