[NO.465] 『坊ちゃん』の時代 第三部/かの蒼空に/アクションコミックス

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『坊ちゃん』の時代 第三部/かの蒼空に/アクションコミックス
著者 関川夏央谷口ジロー
双葉社
1992年1月12日 第1刷発行
1997年12月6日 第6刷発行

 石川啄木を中心に据えた展開。出だしから、啄木の表情が的確です。あっけらかんと突き抜けてしまっている、とぼけた明るい表情。父ちゃん坊やと呼ぶような人相。よくとらえていると思いました。

 濫費癖、借金の総額、金田一の援助。本人は作る気もないのに、つい口をついて出てきてしまう短歌。p124土井晩翠夫人からの借金の話など、そういえば以前にも読んだ記憶がありました。これらのエピソードは有名な文学ゴシップなので、出典がたくさんありそうです。

 悲惨な亡くなる場面は、まだ先でした。家族が上京してくるところで終わっています。これが救いでした。うまいな関川さん。