[NO.434] 建築探偵奇想天外/朝日文庫

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建築探偵奇想天外/朝日文庫
文・藤森照信/写真・増田彰久
朝日新聞社
1997年4月15日 第1刷印刷
1997年5月1日 第1刷発行

初出は『週刊朝日』1987年1月2・9日号~9月25日号
本書は朝日新聞社より刊行された単行本
『建築探偵神出鬼没』(1990年刊)を再編集したもの


目次
官軍と商人の西洋館合戦―旧函館区公会堂
アメリカの中の控え目な日本―札幌・豊平館
ナマコ壁西洋館の謎―旧新潟税関庁舎
現存最古の赤煉瓦建築―長崎・ソロバン・ドック
三一五号室でハンバーガーを―横浜・ニューグランドホテル
謎のチェコ人建築家―レツルをたずねて
プラハの街角から―フォイエルシュタインをたずねて
スロバキアからの教会―レーモンドをたずねて
田園趣味の家は残った―東京・旧福本邸
ヨーロッパへ行った大工―宮城県・登米
"世界一ハデ病院のデザイナー"―山形・済生館
建築探偵宍戸さんのこと―聖路加病院チャペル
和風のキリスト教会―奈良教会
ゴルフをやりたい一心で―伊東・川奈ホテル
雪国の勇み肌の倉―長岡・サフラン酒造
大分にアール・デコあり―第一勧業銀行大分支店
金次郎の弟子が作った旅館―箱根萬翠楼福住
左官の名人「伊豆の長八」―伊豆松崎・岩科学校
日本最初の牛小屋―北大模範家畜房
シルクの国をたずねる―長野県諏訪地方の旅
長崎が兄でアモイが弟―長崎・グラバー邸
田園調布のルーツは三つ―田園調布駅
農家風のリゾートホテル―野尻湖ホテル
ポストモダンの元の元は―黒部川第二発電所
オフィスとともに九十九歳―第一生命
アール・デコ世界一―旧朝香宮邸
もうひとつの明治の顔―日本銀行本店
アジアの中の西洋館―ソウル・旧朝鮮総督府
複雑な、複雑な出生の秘密―国会議事堂
本書に登場する主な建築物一覧
【解説】探偵のすがお―鈴木博之

 「建築探偵宍戸さんのこと―聖路加病院チャペル」が秀逸。建築探偵仲間である宍戸実氏が亡くなったときのこと。宍戸氏の通夜が、この病院内だったので駆けつけたときのことを綴りながら、あわせて元気だったころ、一緒にこの建物を訪れたときの様子が回想されます。ちなみに、宍戸氏は、この病院で生まれたのだとか。
 感慨深いものがあります。まるで一篇の短篇小説の様。