建築探偵桜井京介 館を行く 篠田真由美 講談社 2006年11月10日 第1刷発行 |
篠田真由美氏の小説に登場する桜井京介と一緒に、建物を見て回るという趣向の本。建築探偵桜井京介の事件簿シリーズというのは、かなり以前に読んだだけなので、ほとんど記憶にありませんでした。
p006
その日、私、小説家篠田真由美に、講談社文芸図書第三出版部のK部長と担当編集者A氏が連れ立っての旅立ちの朝。関西へと向かう新幹線の車中で私の隣に座った桜井京介は歴然と不機嫌だった。
p018
ご存知のように近代建築に現れる和洋折衷の諸相は僕の関心を引いて止(や)まないテーマですが、明治最初期の擬洋風建築から始まった日本の折衷建築が、ここにかくまでの洗練と完成を見たというのは実に感慨深いものがあります」
「山荘を買い取ったアサヒビールが、初代社長で加賀正太郎とも親交のあった山本為三郎がコレクションした美術品を安藤氏に依頼したとき、しばらく無人のまま放置されていた山荘の建物はかなり傷んだ状態にあったといいます。
p138
そういう無礼なせりふは、さくっと無視するにしくはない。
窓にはさらにアメリカ製の鉄の防火シャッターが備え付けられ、本館内では一切の火気が厳禁された。
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