[NO.327] ライカ同盟/ちくま文庫

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ライカ同盟/ちくま文庫
赤瀬川原平
筑摩書房
1999年6月24日 第1刷発行

目次
はじめに
カメラ小説集
 コンチュラ物語
 アンスコ物語
 ライカ同盟
天体観測小説集
 ノバ・シグナス一九七五
 日食
 曇天
解説 よく視る人 山下裕二


 カメラに手を出してはいけないという不文律を自分に課したのは中高生の頃でした。中学生の頃には天文仲間がおり、世の中では反射式望遠鏡が流行っていました。当然、関心は一眼レフカメラをマウントすることにつながっていきます。いわばレンズつながりのようなものかもしれません。しかし、当時は現在のようにホームセン ターで安売りの望遠鏡が買えるなどということもなく、あるいは中古量販店もありませんでしたから、望遠鏡も一眼レフカメラも高値の華でした。ずっとその状態が続いたまま何年も経過。
 ですから、この本も鬼門でした。単行本のときから見てはいましたが、今回が初読。もっと早く読んでおけばよかった、もったいなかった、というのが感想です。

 そんなこんなですが、この本を読みながら同じ思いにかられた数年前のことを思い出していました。(インフルのウィルスにとりつかれ、仕事も手に付かず、カメラ店に出向くというくだりです)。当時、近所に中古量販店が開店し、カメラではなくて、PDAに出会ってしまったのでした。初対面がNEC製モバイルギアMK-11でした。偶然、 ネット検索でDOS化のことを知り、火がついてしまいました。コンパクトフラッシュカードが安くなり始めたのも、時期的には良かったのでしょう。
 DOS-V版ATOK8も購入できました。以前購入したDOS版VZエディターやファイラーのFDも使えることに感動したものです。古書で、改造用の本 も2種類探し出しました。PC通信のニフティサーブでファイルやデータを大量に落としました。広辞苑や研究社版英和・和英中辞典を使えるようにすることに 熱中。最終的には、平凡社版の世界大百科事典と小学館のニッポニカ・ニッポンが使えるようになったところでカスタマイズ熱も終了。
 当時は、常にPDAを買うことばかりを考えていました。多忙であればあるほど、欲しくてたまらなかったものです。すべて中古ですから、どこで出会うかわ かりません。郊外の中古量販店をハシゴしたり、もちろん秋葉原を回遊したり。 DOS版モバイルギアは4台入手。その後、その手の原点とも云うべき、HP 200LX を購入、通称「新宿教会」にも足を運びました。植木氏から名刺を戴いたのもその頃でした。さすがに廃人倶楽部シールは貼りませんでしたが。
 先週、近所の中古量販店でCE版NECモバイルギアⅡ MC/R330を見つけたとき、危なく買ってしまいそうになりました。グッと堪えましたが。当時だったら、即、買いでした。その機種はモノクロ版ですが、 アルカリ電池で稼働できるので、カラー版のように充電池がヘタってしまうという心配がない、秀逸な機種なのです......切りがないのでこの辺で止めます。

 著者のいう、新品に魅力が無くなり、中古品が云々というあたり、その当時のPDAの様子にも当てはまるような気がしました。PC関連では、枯れて安定してきた、などとも言いました。

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