海馬が耳から駆けてゆく4 菅野彰 新書館 2002年12月10日 初版発行 |
本書はタイトルと表紙からして、すごい。
p60
厄年を満喫中の今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。三十歳になりました。三十年ものの肉だと弟に言われ、大変不愉快な節分後です。
この三十年間、私ずっと己は戌年だと思って生きて参りました。しかし年明け直後のいわゆるY2Kなども巻き起こらず、
「どうしてくれんだこの無意味な水タンク......」
と、年越し勤務をしていた皆様の苦労も知らずぼやきながら、近所の関東最古の神社と言われている鷲宮神社に膀胱炎の身でありながら初詣に行った。そこで寝耳に水の前厄を私は知ることになった。
p129 ワープロとパソコンの狭間で揺れる人の話
上記タイトルの文章が秀逸でした。本書を選んだ理由でもあります。プロの文筆業者として、締め切り迫った中、せっかく打ち込んだ文章が保存されているフ ロッピーディスクを破損してしまって中身を読み込めないという悲惨な事態を経験したときの出来事です。結局、この壊れたフロッピーディスクは、3万円で復活させてもらったのだとか。凄いですねえ。
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