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NHKEテレ番組『おとな時間研究所 こころ整う部屋片づけ』を見ていると、紹介された2件のお宅で、(色あいこそ違いますが)同じ形をしたレトロな押しボタン式の電話器が共通して置かれていました。いったん気になりだすと、それぞれがモデルルームのようなインテリアに囲まれている、そこばかりが気になってしまいます。

おとな時間研究所 こころ整う部屋片づけ
NHKEテレ
2025/09/12(金)20:00

番組はあふれたものを整理して家の中をスッキリさせたお宅を紹介します。タイトルは「スッキリ&快適! 部屋づくりのアイデア」。そのナレーションから、いくつか抜粋してみます。


一人目は寺本あや子さんです。(「あしたも晴れ!人生レシピ」2020年9月18日放送のキャプション。5年前に取り上げた番組の内容を流用しているようです。)中古マンションをリフォームし、家族5人で暮らしています。中に入るとモデルルームさながらの整った部屋。ソファーや子供たちの学習机が綺麗に並び、右側の部屋にはダイニングテーブル、奥は子供部屋ですが散らかった様子はありません。(途中略)寺本さんは日々の暮らしの中で発見したことをテーマに記事を書いている人気ブロガー。タイトルは「心を楽に、シンプルライフ」。


いっぽう、様々な工夫で暮らしやすさを実現している人もいます。山津潤香さんです。家族は5人。ものを増やさず空間を活用する暮らしを心がけています。リビングとして設計された部屋にはテーブルや椅子も置いておらず、あるのは小ぶりな棚だけ。(途中略)子供が大きくなり、現在の家に引っ越してきてからも、無駄な物を持たない暮らしを続けています。とことん無駄を省いた暮らし。どんな楽しさがあるのでしょうか。


番組はテーマ片付けにそって展開していきますが、初めに紹介された2件の部屋に置いてある今や懐かしい昭和レトロなプッシュホンにばかり目がいってしまって内容が入ってきませんでした。

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人気ブロガー寺本さんがマックPCに向かって入力している姿を見ると、ディスプレイの左下にそれが見えます。また、テーブルや椅子も置いてない(山津さん宅の)リビングに唯一ある小ぶりな棚の上にも、それがあるではありませんか。それらは色合いこそ違えども、まったく同一型番の電話機のようです。

いまどきの家庭で電話機なんて目にする機会はほとんどありません。なによりもこんな古典的ボタンのついた電話機は、家電売場でも見たことない。

スマホの普及した今、そもそも固定電話の回線を引いているのか、疑問です。高齢者世帯の我が家ですらひかり電話です。その前はIP電話といったような。番組で映った電話機は、どうみてもアナログ式じゃないのかな。回線がつながっていて、アナログ式固定電話器が使えるのでしょうか。よくわかりません。

ネット検索すると、カラーバリエーションも豊富なので、おしゃれな置き物として流通しているようです。601-P卓上電話機 旧日本電信電話公社またはNTT製なんだとか。(ちょうどNTTに移行した前後、公社と株式会社両方の時期にまたがって流通していたみたいです。)

気になったのは 601-P卓上電話機 が完動品の少ないこと。40年も前の家電ですから、今でも使える方が珍しいでしょう。ノイズの激しい601-Pを修理したという猛者のブログを見つけましたが、とても素人には手が出せそうにありません。やっぱりおしゃれなオブジェとして置いてあるのでしょうか。でもなあ、両家とも無駄をなくしたシンプルライフなんですよねえ。ものを増やさず空間を活用する暮らしを心がけていらっしゃる。そこにわざわざこんな飾り物を置いてしまうのでしょうか。そして(取材時期には5年のひらきがありますが)2件のお宅で見かけたのは偶然だったのでしょうか。回線はきちんとつながっているのでしょうか。湧き上がる疑問はきりがありません。

【追記】
それにこれじゃ、我が家のような子機だって使えませんよね。留守番機能もなさそうだし、不便じゃないのかな。いまだにファックス機能を使う我が家では、現在の電話器(ひかり電話回線)は重宝しています。今後も手放しそうにありません。

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7日間でハッキングをはじめる本/TryHackMeを使って身体で覚える攻撃手法と脆弱性
野溝のみぞう 著
翔泳社 刊
2024年08月28日 初版第1刷発行
2024年10月15日 初版第3刷発行
293頁

近場ショッピングモール内の書店で昨年見つけてから気になっていたところ、さきほど『実践サイバーセキュリティ入門講座/現場に残された痕跡からハッカーの攻撃を暴け』(林憲明 著、SBクリエイティブ 刊)なる別の新刊書籍を発見。これを購入しようと思いながらしばし立ち読みするうち、どちらにするか迷うばかり。

決めかねながら、モール内にある別の書店を一巡。再度先ほどの書店へ戻って2冊を見比べるも、まだ迷うばかり。いっそのこと両方を大人買いもちらっと考えましたが、結局『7日間でハッキングをはじめる本/TryHackMeを使って身体で覚える攻撃手法と脆弱性』を選びました。

出版社サイトで見つけた惹句〈悪用厳禁! サイバーセキュリティ学習サイトを攻略しながら「基本」を体験しよう〉に惹きつけられました。『7日間でハッキングをはじめる本』では具体的な攻撃を体験できるところが面白そうです。英語は得意じゃありませんが、TryHackMe にも興味がわきました。293頁で¥2,860 税込 はお安くないな。

こちらも表紙のうたい文句から

攻略ターゲット
[Linuxサーバー] [Active Directory] [OWASP Juice Shop] [WordPress] など


『実践サイバーセキュリティ入門講座』は本書の先の位置づけかな。

クリスティー文庫目録

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近場ショッピングモール内の蔦屋書店で無料配布されていました。早川書房サイト内に紹介ページあり。〈【ファン必携】クリスティー文庫目録完成! 〉リンク、こちら

まるでひと昔前のDVDボックスセットみたい。クリスティー文庫が箱入りセットになってます。驚くばかり。

表紙画像は出版社サイト内から。こんなクイズが記載されていました。

裏表紙はクリスティー作品に出てくるモチーフをあしらったパターンです。
どれが何だかわかりますか?

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「拡張セキュリティ更新プログラム」(Extended Security Update:ESU)とは、サポートが終了したOSに対して有償でセキュリティパッチを提供する取り組みだそうです。

Micrpsoft サイトの説明によれば

拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) を使用すると、Windows 10 PC で 2026 年 10 月 13 日まで重要なセキュリティ更新プログラムが引き続き配信されます。

と記載されています。リンク、こちら


とりあえず手持ちのPCで試してみました。

ネット上には類似サイトが林立。無料で拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) を得るには以下の条件が必要とのこと。

・機能更新プログラムがWindows 10、バージョン 22H2であること
・Microsoftアカウントでサインイン(ログイン)されていること
・Microsoftアカウントが「管理者」権限であること
・「Windows バックアップ」でPCの設定をOneDriveにバックアップしてあること
・KB5062649以降の更新プログラムを適用してあること

まず、Microsoftアカウントを確認しました。Microsoftアカウントは、しばらく使っていなかったので、アクセスしてみました。メールアドレスとパスワードを確認です。

つづけてOneDriveにPCの設定をバックアップ。これも過去にやりかけて、中断していました。

無料のOneDriveの容量は上限が5GBです。「ドキュメント」と「デスクトップ」内に保存してあった容量の大きなデータを別のディレクトリへ移動させました。それからOneDriveへバックアップします。2台目以降のPCも同様にしました。OneDriveの上限5GBの容量を圧迫させないためです。

あとは先ほどの上記条件を満たしていることを確認します。

すると数日で、設定のWindows Updateに

Windows 10 のサポートは 2025 年 10 月に終了します
拡張更新プログラムに登録して、デバイスのセキュリティを維持しましょう。

と表示されました。その文言のすぐ下にある今すぐ登録をクリックして、作業を進めます。

最後に

お使いのPCは、拡張セキュリティ更新プログラムを取得するために登録されています。

と表示されました。

これで10月14日を過ぎても、2026年10月13日までの期間、セキュリティ更新できるようになりました。来年まで、とりあえずの代用みたいなものでしょうか。厳密にはサポート延長とは違いますよね。セキュリティ更新が1年間延長されたということです。

【追記】
Microsoftアカウントのところで、

大人がこのデバイスにサインインして、拡張セキュリティ更新プログラムに登録する必要があります。

と表示され、いったん作業が中断しました。さて、なんて文言で検索かけようかと思案。いくつか試すと、「Microsoft アカウントの誕生日を変更する方法」がヒットしました。リンク、こちら

Microsoft アカウント窓からプロファイル情報の編集窓が開いて、生年月日と国を入力(選択)しました。これで解決。

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幸田露伴と根岸党の文人たち/もうひとつの明治
出口智之
教育評論社
2011年07月20日 初版第1刷発行
303頁

学術書でした。

P.291
*本書は日本学術振興会科学研究費補助金(研究活動スタート支援)による研究成果の一部である。

ところが、ちっとも堅苦しくなく、どこぞのエッセイのごとくすらすら読んでしまいました。(下世話にならず)崩れない程度にユーモアがにじんでいます。

なによりも著者出口智之さんが楽しんでいることが伝わってきました。読んでいるこちらも当然のことながら楽しくなってきます。ごくまれに学術書であっても、そうした心地よく読めるのがあったことを思い出しています。

かつて椎名誠『わしらは怪しい探検隊』シリーズがありました。東ケト会なる組織のもと、それはそれは楽しそうなお話。で、なぜか「根岸党」の面々による「二日旅」がそれと同じに感じてしまいました。本書を読み進めるにしたがって、ますますこれは明治版の『わしらは怪しい探検隊』じゃあないかと核心は深まるばかりでした。

 ◆ ◆

「根岸党」とはなんぞや

明治20年代に東京根岸近辺に住んでいた文士や画家たちの遊び仲間。

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幸堂得知(とくち)、須藤南翠、幸田露伴、関根黙庵、高橋太華、饗庭篁村、森田思軒、森鴎外、宮崎三昧(さんまい)、岡倉天心、久保田米僊(べいせん)、依田学海、川崎千虎(ちとら)、瑞雪湖、楢崎海運、高橋健三、藤田隆三郎、

P.16
二日旅行とは、名の如く二日がけ一泊の旅行で、大概毎月一回試みた。その方法は、まづ最低額の旅費を定めてこれを一行の選任した会計にあづけ、私費は一切持たずに、極端に不自由倹約な旅行をする。その不自由さが甚(ひど)ければひどいほど悦ぶといふのである。(柳田泉『幸田露伴』中央公論社、昭和十七年二月、百七十四頁)

年齢もまちまち、上記メンバーの終わり2名は役人や判事のように職業もさまざま。そんなかれらが〈一見くだらなく思える遊びに本機で興じ、しかもその私的な遊びを作品に描いて発表し〉ていた。さらにいえば、読者に支持されてもいた。

これって、まるで『わしらは怪しい探検隊』ですよね。

現代から見ると違和感の覚えるところもありますが、とにかく酒を呑んで騒いでばかりいる姿は東ケト会そのもの。

P.272
 まだ作本を発表しはじめる以前の明治十年代から、明治二十年代の終わりにいたるまで、彼らはきわめて活発な交友を繰広げた。少なからぬ顔ぶれの変動こそあったものの、そこに集まっていたのはみな当代一流の文化人たちであり、うち幾人かは近代の文化を代表する存在ですらある。そうした彼らが日夜酒を酌みかわし、趣向を凝らした催しを企画し、あるいは連れ立って観劇や旅行に出かけていた。若き青年たちならいざ知らず、すでにそれぞれ一家をなした人々が知り合い、世代もまちまちなままにこのような親密な交わりを結ぶこと自体、かなり珍しいのではないか。
 しかもその遊びときたら、与えられた題をもとに洒落を考えて持寄ったり、歌舞伎の登場人物に扮して寸劇を行ったり、見ようによってはくだらないことに打ち興じていたのである。新規で珍妙な趣向を求めて失敗し、その失敗を笑い合って楽しむくらいならまだしも、わざと馬鹿なことをしよう、失敗しようと競い合うにいたっては、よくよくおかしな集団だと言わざるをえない。現代の新聞の論説委員や、文壇や画壇の重鎮や、上級官僚や裁判官や出版社の経営者たちが知り合って、こんなふうに遊びはじめるところを想像できるだろうか。単なる忙しい日常の合間の息抜きと考えるには、彼らの遊びはあまりにも大がかりで、かつ頻繁にすぎるのである。