「ぬめり感・・・・・?」/歯痛を起こした茶川龍之介

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あの本、読みました? 引いてよし読んでよし「辞書」の魅力を辞書編集者と深掘り!
BSテレ東
2026年6月18日
22:00~


今回は、飯間浩明(国語辞典編纂者)さんがゲストでした。

三省堂国語辞典の編集委員です。これまでにもメディアでたびたび見かけることはありましたが、その話し方が、どうも誰かに似ているような気がして。

しばらく考えると、思い出しました。

「池上彰」さんです。

その口調が、そっくり。

話し出すときに、言葉をちょっと言いよどむようなところも。

なにより、客観的に「説明」しようとしている(ように思える)ところ、その話しぶりが、そっくりです。声まで似てきたように感じ始めていました。


 ◆ ◆


ここで、いつものように、ぼうっと番組を見ていて、びっくり!

『舟を編む』(三浦しおん 著/光文社文 刊)の一節をを紹介するコーナー。

落ち着いた男性の声により小説の一部が朗読され、画面には大きな文字で本文が映し出されました。

「ぬめり感・・・・・?」
歯痛を起こした川龍之介、といった感じに、馬締は難しい表情だ。

あれっ? 「」が「」になっていないか??

最初、なにかの悪い冗談ではないかと思ってしまいました。

再度視聴してみても同じ。しかし、朗読ではしっかりと「あくたがわ」と読んでいます。

「茶川龍之介」じゃ、『ALWAYS 三丁目の夕日』に出てきた登場人物ですよね。

おもわず笑ってしまいました。

いったいどうしたら、こんなことが起きるのでしょう。

(1)小説の本文をOCRソフトにでも掛けたか?
(2)入力に使用したPCのIME(日本語入力ソフト)の単語登録に「茶川龍之介」が設定してあって、間違って変換したことに気づかずにいた。

どれも、おいそれとは考えられない。

そういや、「ぬめり感・・・・・?」のところも、おかしくないか?

「・・・・・」って、全角フォントの「・」が5つ。

原稿用紙の使い方では、ひとマスに3つの「・」が、ふたマス連続して使うことになっていますから、「......」という具合に半角の点が6つ。

こんなこと、出版界わいでは、校正の常識として起こるはずのないミスじゃないかな。

気にしない人は、いるかもしれませんが、まがりなりにも小説『舟を編む』の「本文抜粋」なのです。

プライベートなSNSの投稿なんかじゃありません。

うっかりミスと意識すらしていなかったミス。


ちょこっと本文にあたって、確認してみました。番組中で飯間さんが紹介していた期間限定のカバーではなく、普及している古い版のものです。マニアであれば、そろえたくなるのでしょうね。単行本のカバーの方が人気ありましたから。

『舟を編む』
三浦しをん 著
光文社文庫
2015年3月20日初版第1刷
2019年9月20日15刷

P.216 「ぬめり感」の登場する場面がありました。やっぱり、点「・」は合計6個です。(「校正」が機能しているので、あたりまえですが。) 若干期待してしまいましたが、もちろん、茶川ではありませんでした。


番組を視聴していて、飯間浩明さんの言葉が印象に残りました。
今の時代、言葉の意味はスマホで簡単に調べられる。では紙の辞典は何が違うのか。それは、「名前を出し、責任をもってやっていることです。」

揶揄されることの増えた「オールドメディア」ですが、そこには最低限、「権威付け」された「お墨付き」のようなところがあったような気がします。それも無言のうちに。

この番組って、どうも軽いところがあるんだよなあ。

なんだか、小中学生が同好会のノリでやってるみたいなところがないか?

なにしろ報道番組とバラエティ番組の境界が、情報番組という名前で溶けちゃってるからなあ。

なにも、アカデミックな研究者に逐一チェックさせろなんて暴論は申しません。

数少ない「本」を紹介する番組だけに、苦言を呈した次第なんですけど。


【追記】2026.6.23
今現在、こちらの番組は、アプリTVer(ティーバー)から、無料で視聴できます。先ほど見ましたが、もちろん「茶川龍之介」でした。

19:05 あたりのところです。

あの本、読みました? 引いてよし読んでよし「辞書」の魅力を辞書編集者と深掘り!
BSテレ東
6月18日(木)放送分
配信終了まで1週間以上

だそうです。