[NO.1681] 江之浦奇譚

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江之浦奇譚
杉本博司
岩波書店
2020年10月09日 第1刷発行
281頁

「江之浦測候所」は、かつてテレビの美術番組で取り上げられていたのを見たことがあります。お金持ちが箱庭で遊んでいるような印象でした。さっそく録りためたHDDから発掘。

2019年4月9日
BS日テレ
ぶらぶら美術・博物館▽全てが絵になる海辺のワンダーランド!江之浦測候所~杉本博司
2022年07月10日
NHK-Eテレ
日曜美術館「杉本博司 江之浦測候所奇譚(きたん)」
2024年03月17日
NHK-Eテレ
日曜美術館 春 はじまりの旅 アート×坂本美雨

江之浦測候所の作者 杉本博司さんは子どものころ、鉄道模型やジオラマ作りが好きだったとのこと。納得です。

山田五郎さんがこの場所を「イメージとしては大名庭園に近いかな」「お大名が自分の好きなように、この空間をつくりあげたみたいな。自分の好きな美術品をあちこちに配置して」と紹介していました。言い得て妙。大名庭園ですか、五郎さん。

まえがきによれば、江之浦測候所が「どのような因縁で今の姿を留めるようになったのかを、備忘録として書き留め」たのが本書です。そこには末尾につぎのような記述も。

P.10
 こんこ話は時間軸に沿って書き進めていくことにする。話の冒頭には歌を添えてみた。連歌のように、前の歌を受けるかたちで詠み進めるようにつとめたが、観相から連想へゆるゆると連なる、私なりの連歌独吟となった。

【目次】
まえがき
馴れ初め  平成六年  春 2
明月門  平成十年  春 6
石橋山古戦場  平成十三年  秋 10
眼鏡トンネル  平成十四年  正月 14
A級戦犯の門  平成十五年  夏 18
天正庵  平成十六年  夏 24
植物と人間  平成十七年  春 28
直島禊プール  平成十八年  春 32
冬至光遥拝隧道  平成十八年  夏 36
能面萬媚  平成十八年  秋 40
江戸城石垣  平成十九年  春 44
元興寺天平礎石  平成十九年  夏 48
数寄屋普請  平成十九年  秋 52
縄文人が一人  平成二十年  初春 58
古墳内能舞台  平成二十年  春 64
トスカーナのキリスト  平成二十年  秋 68
父尉  平成二十一年  初夏 72
比燕荘  平成二十二年  春 76
浄土式庭園  平成二十三年  春 80
骨董の魔性  平成二十三年  秋 84
京都市電敷石  平成二十四年  春 92
藤原京石橋  平成二十四年  初夏 98
夏至光遥拝  平成二十四年  夏 106
待庵本歌取り  平成二十五年  春 112
内山永久寺十三重塔  平成二十五年  初夏 122
大谷石石切場  平成二十六年  秋 128
冬至光  平成二十六年  冬至 134
茅葺屋根能舞台  平成二十七年  春 140
古代ローマ劇場  平成二十七年  初夏 146
鉄宝塔  平成二十七年  秋 152
隧道完成  平成二十七年  冬至 158
恐怖の塔  平成二十八年  春 162
井戸の緋色  平成二十八年  初夏 166
懸造光学硝子舞台  平成二十八年  夏 178
滝根石  平成二十八年  秋 186
茶室雨聴天  平成二十八年  晩秋 192
みちしるべ  平成二十八年  冬 210
殺生禁断  平成二十九年  春 216
聖廟千句  平成二十九年  初夏 222
法隆寺若草伽藍礎石  平成二十九年  夏 232
江之浦測候所  平成二十九年  秋 242
大洞台  平成三十年  春 248
九段の社  平成三十年  秋 254
春日社招請  令和元年  秋 260
あとがき  流転する季節 277
参考文献 281

 ◆ ◆

マニアックな男の子が好きになりそうな蘊蓄が満載。ひとつ言えることはキャッチーなものが多いってことかな。ちょっと待てよ、人目を惹く固有名詞が多すぎないか? それを所有しているんだぞ。(個人ではなく、組織としてだといいますが。) それにしたって、カッコよすぎないか。

ニューヨークで活躍する現代アーティストが骨董にも造詣が深いのだから、そりゃ蘊蓄もあるしカッコ悪いわけがない。茶人でもあるという。

 ◆ ◆

Amazonレビューに、こんなのが

★☆☆☆☆ ひとの自慢話を有料で?
2021年4月5日に日本でレビュー済み
フォーマット: 単行本Amazonで購入
昔、面白い歴史の教師の授業を聞いている感じ。こじつけのような史実。興ざめしました。