名探偵登場! (著者) 筒井康隆、町田康、津村記久子、木内昇、藤野可織、片岡義男、青木淳悟、海猫沢めろん、辻真先、谷崎由依、稲葉真弓、長野まゆみ、松浦寿輝 講談社 2014年04月22日 第1刷発行 326頁 |
出版社サイトから引用 リンク、こちら
名探偵とは何者か?
洋の東西を問わず、読者の心をとらえて離さない名探偵の魅力とは? それが推理小説最大の謎!
帆村荘六、半七、フェリシティ、明智小五郎、鬼平、三毛猫ホームズ、金田一耕助、ミス・マープル......。誰もが大好きな名探偵たちが、現代文学の名手13名の筆によって新たな息を吹き込まれた。古今東西の難事件が解決されるばかりではなく、ミステリーのあらゆる楽しみ方を存分に堪能できるアンソロジー。
豪華執筆陣による夢の競演!
ミステリーの定義からは、はずれると言われればそうかもしれない。でもねえ、「名探偵登場!」というタイトルは(どの作品も)裏切らなかったかな。パロディーとしての「アンソロジー」ですよね。どちらかといえばクスッと笑わせてもらえるアンソロジー。
元ネタをどうひねったか、各作家による腕の見せどころを堪能すべし。NHKのEテレでいうところのハマったさん、マニアが喜ぶアンソロジー。
映画『名探偵登場』を思い浮かべて、本書を手にしたのなら、それでいいのでは?
巻末、解説 名探偵の登場が推理小説を生んだ 中条省平 を小説より先に読んでしまうと(一定数、そういう読者がいるはずですね)、納得しそう。
『探偵小説の哲学 (叢書・ウニベルシタス 811)』(ジークフリート・クラカウアー著、2005年刊)を紹介していることで、すでに衒学的。
初出「群像」2013年12月号
出版社サイトに詳細な紹介ページがあります。リンク、こちら
なんとも贅沢な号です。
雑誌連載時と順序を入れ替えたところがあります。比較すると面白し。
【雑誌掲載時】 〈特集 名探偵登場〉 捕まえて、鬼平!~鬼平「風説」犯科帳~ 青木淳悟 ふくろうたち 稲葉真弓 三毛猫は電気鼠の夢を見るか 海猫沢めろん 音譜五つの春だった 片岡義男 遠眼鏡 木内 昇 a yellow room 谷崎由依 銀座某重大事件 辻 真先 科学探偵帆村 筒井康隆 フェリシティの面接 津村記久子 ぼくの大伯母さん 長野まゆみ わたしとVと刑事C 藤野可織 文久二年閏八月の怪異 町田 康 四人目の男 松浦寿輝 |
【本書目次】 |
【どうでもいいはなし】
短篇小説なので、どこから読んでもいいだろうと、「ぼくの大伯母さん」長野まゆみ を最初に読んだところ、無性に ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』を読みたくなって、散らかった本類のために発掘できず、Kindle版光文社古典新訳文庫で読みました。お約束のごとくに1巻の途中で中断中。
おまけに ガストン・ルルー『黄色い部屋の秘密』 にまで手を出してしまいました。

黄色い部屋の謎/創元推理文庫Mル21 ガストン・ルルー 宮崎嶺雄 訳 東京創元社 1965年06月21日 初版 1997年08月08日 68版 386頁 |
最後に、面白かったのはどれかと問われたなら、全部としか答えようない。味わいが違うのですから。そりゃ好悪はあるにはあっても、気分でその都度変わってしまい......。
どれもが読みやすい、軽い読み物。
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