本の雑誌2020年4月号 特集=さよなら、坪内祐三

本棚が見たい!
特別編/いつまでも読書中 坪内祐三
特集:さようなら、坪内祐三
「いない」ことで、ずっと僕たちの中に「いる」 重松 清
ツボちゃんのこと 佐久間文子
坪内番編集者座談会/編集者気質と好奇心 飯窪成幸・江木裕計・嶋田哲也
東京外骨語大学の頃 内堀 弘
破門された私 藤中浩平
坪ちゃんありがとう 田口久美子
追悼のことば/さようなら、ツボちゃん
 福田和也・中野翠・柴﨑淑郎・嵐山光三郎・飯田昌宏・永栄潔・長塚圭史・増田結香・森山裕之・杉作J太郎・内藤誠・長谷川森人・新元良一・南伸坊・佐野衛・クラフト・エヴィング商會(吉田浩美・吉田篤弘)・壹岐真也
倶楽部カメグロ対談/ロング・インタビューのころ 亀和田 武vs目黒考二
マイルストーン時代の坪内祐三 一志治夫
従弟・坪内祐三君を悼む 坪内文生
神経のふれかた 橋本倫史
酒中日記外伝座談会/オフサイドトラップに気をつけろ!? 赤井紀美・安藤善隆・金寿煥
三角窓口/読者の送る言葉
坪内祐三の10冊/メディアとしての坪内祐三 平山周吉
追悼のことば/ありがとう、ツボちゃん
 泉麻人・石田千・荻原魚雷・四方田犬彦・畠中理恵子・和久井光司・川本三郎・岸本佐知子・浅生ハルミン・松尾潔・向井透史・瀬尾佳菜子・内澤旬子・谷村友也
おじさん二人組、教わった店でツボちゃんを偲ぶ
坪内さんに教わったお店
坪内祐三年譜 川口則弘
同時代史を書き続けた人 平山周吉

 なんだかナンシー関が亡くなったときのことを思い出す。あまりにも突然なので。

 それまでなんとなくもやっと気になっていたのが、本の雑誌でツボちゃんのことを意識したのは、新宿で殴られて意識不明の重体になったときだった。あれが2000年の暮れだから、もう20年も前になるのか。ついこのあいだのことのようだ。そのときにツボちゃんと同行していた松田哲夫だって、TBSテレビ「王様のブランチ」の本を紹介するコーナーでは二日酔い状態もたびたびのことだった。武勇伝には事欠かない。

 今月号の「本棚が見たい」はツボちゃんの仕事場。亡くなったままという。生活感が出ている。

 坪内祐三追悼特集が、ほぼ雑誌の半分を占めている。白黒ですべてスキャンした。どこかにも出ていたが、本の雑誌が千円を超えてしまった。分厚い。

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【ツボちゃん特集以外から】

P116
新刊めったくたガイド
●冬木糸一
人類の理性と共感を信頼する
ピンカー『21世紀の啓蒙』

スティーヴン・ピンカー『21世紀の啓蒙 理性、科学、ヒューマニズム、進歩』(橘明美・坂田雪子訳/草紙や上下各2500円)

 やっぱり、冬木さんのコーナーは面白い。昔は、こんな分野を紹介してくれる「めったくたガイド」は皆無だっただけに、新鮮な感じがしてうれしい。

P158
連続的SF話●431
喫茶店が好き
●鏡明
喫煙席消滅の衝撃とモンシェリのコーヒーの記憶

塩沢槙『東京ノスタルジック喫茶店』河出書房新社、2009年

 ネットで見ていて、これには「続」が出ていたことに気づく。

塩沢槙『郷愁の喫茶を訪ねて 東京ノスタルジック喫茶店2』河出書房新社、2011年

 この春から、都内の飲食店では禁煙のはず。コロナで出かけていないので、まったくわからない。とりあえず、鏡明さんがお元気だということで、なにより。