遅読家のための読書術 印南敦史 ダイヤモンド社 2016年2月25日 第1刷発行 2016年4月13日 第4刷発行 |
いやあ参った。著者の指南どおり短時間で読んでしまった。きっちり全ページ全文章に目をとおしたにもかかわらず、1時間ちょっとで読了。で、いつもやっている付箋紙を貼ったのは1枚だけ。
もともと自己啓発ものやビジネスものは普段から手にしないので、なんだかなあなのだが。スマホの出現によって遅読が増えたという指摘に少々うなずく。アウトプットを前提に読むというのは自分に当てはまるぞと納得も。一文を誰かに紹介するため読むといいという意見が新鮮だった。そこで引用する文を手書きせよという教えについては、賛成できかねた。確かに手書きによる引用、視写の効用は認める。しかし、著者もマッキントッシュで引用箇所を打ち込んでいるという。事後の処理を踏まえるとテキストファイルの方が後々便利であることは否定しがたい。
味わう読書、楽しみの読書は速読しないという指摘は同感。小説や随筆の類いを短時間で読んでしまってはもったいない。
もともと、読書は何かを得ようとするためにおこなうのではないと思っている。読んでいる時間が楽しいから、好きだから読むのだ。身体の中を通り過ぎるという感覚はよくわかる。ときどき読書しながらその文体に酔っている自分を感じることもある。内容を記憶するために読むなどという目的で読むのは空しい限りだ。
本書の趣旨とは離れるが、著者の文章が読みやすかった。
著者のサイトが面白し。おやっと思う回が多い。
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