[NO.1318] 戦争よりも本がいい

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戦争よりも本がいい
池内紀
講談社
2014年11月26日 第1刷発行

巻末には書名索引と別に著者、編者等索引を付す。立派な書評集。しかし、気さくな池内紀さんによる本書は書評集というよりも本の紹介といったほうがいいかもしれない。紹介しているのは全部で129冊。初出は講談社のPR雑誌「本」に掲載された「珍品堂目録」。期間は2003年1月号~2013年10月号まで。130回連載の中から1冊だけ落としたのだという。落とされたという1冊はどういった内容だったのだろうか。

思いの外、海外の翻訳物より日本人による本が多かった。それも戦前の古本がなんだか目に付いた。読んでいて、味があっていいなあ、手に取ってみたいぞと思うものほど、入手が難しそうな古本だったりする。ご専門の独文学はない。

最後に紹介されている『ひとりよがりのものさし』坂田和實がいい。骨董にはとても手を出せそうにないが。

【追記】
『戦争よりも本がいい』の初出、講談社PR誌「本」は、2020年12月号をもって休刊しました。一時は各社のPR誌を読むのが楽しみだったものです。大きな書店レジ脇では、無料で配布していました。