[NO.1274] 〈建築〉としてのブックガイド

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〈建築〉としてのブックガイド/コンセプチュアル・ブックガイドシリーズ01
編者 藤原ちから辻本力
名月堂書店
2011年2月29日 初版第1刷発行

以前、「ニューアカ」や「知のニューウェーブ」などといったキャッチフレーズで大量出版された時代を思い出してしまった。現在の若い書き手が本の紹介をするとこうなるのか、といった感想を抱く。

ところどころ、そりゃあ違うだろう、などと思う自分を、それが年をとったということなのだ、と言い含めつつ読み進める。いくつかのテーマに沿って書き手が分担しながら数冊ずつを紹介している構成は、その昔、流行った手法なだけに懐かしかった。

明治期の本ばかり読みふけっていたら、現代の潮流にはすっかり浦島太郎状態になっていたようだ。本書の版元である名月堂書店(旧名「イプシロン出版企画」)について、初めて知った。公式サイトに目をとおすと、ありゃりゃ、面白そうな内容。特に、名月堂書店ブログ 月刊極北★極北に立って周りを見れば右も左もみ~んな南★ の「創刊の辞」2012年10月が秀逸だった。確かにネット上での言説のカラオケ化については同じくずっと考えていることなので、おやおやと感じた次第。