[NO.906] すべてがFになる/講談社文庫

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すべてがFになる/講談社文庫
森博嗣
講談社
1998年12月15日 第1刷発行
1999年12月1日 第5刷発行

 ブックオフで105円也。森氏は何年か前にエッセイを連続して読んだけれど、小説はほんの数えるほどだったので新鮮。森博嗣氏初期代表作をやっと読めました。

 このところ小説ずいており、勢いで読破。森氏の初期作品の中ではポピュラーとの前評判。それに違わぬ内容。
 人名と地名の固有名詞に癖があったのが最初はひっかかったけれど、それさえ気にしなければ(慣れれば)、ストーリーは面白し。ところどころに無理を感じるところもあったけれど、本格ものとしてはまあ、こんなものでしょう。
 孤島で営まれている私立研究所の設定、GOOGLEを連想。この時代には、まだ知られてさえいなかったはず。個人ごとに与えられた研究室で好きな時間帯に仕事をして良いというのは、助教授になり、学内雑務にうんざりしていた森氏の希望そのものだったのでしょう。

 不思議だったのは、あくまでも地元の名古屋にこだわっているところ。そんな必要、ないでしょうに。先月、続けて読んだ伊坂幸太郎氏が仙台に固執していて、違和感があったのと同じ。どういうことなのでしょうか。