まんざら 中野翠 毎日新聞社 2003年12月10日 印刷 2003年12月25日 発行 |
久々の中野翠氏エッセイ。やっぱり読ませてくれます。基本的に週刊誌を定期購読しないので、こうやってまとまって読むのがいいです。
『年を経た鰐の話』を紹介した中で、「もうせん」という言葉について触れています。
p214
些細なことだけれど、思いがけない喜びもあった。それは「のこぎり鮫とトンカチざめ」という話の中に「もうせん」という言葉が出て来たことだ。「もうせん(「もうせん」に傍点)お父さんは、魚をちつとも聲をたてないつて言ひましたよ。」と。
「もうせん」というのは、「もうだいぶ前に」という意味の言葉で、私は子どもの頃にはよく口にしていたのだけれど、いつのまにか全然使わなくなってしまった。少なくともこの三十年くらい聞いたこともない。完全に死語になってしまったようなのだ。そのことに何年か前に気づいて、ちょっと淋しく思っていたところだったのだ。
同感。
「同調圧力」という言葉、おもしろい。
中野氏のように就寝前に落語を聞くというのは、ずいぶん前にいろいろな方がやっているというのを読んだり聞いたりしましたが、自分ではなかなか実行できません。
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