[NO.716] 本の声を聴く/書物逍遙一五〇冊

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本の声を聴く/書物逍遙一五〇冊
木島始
新潮社
1995年6月30日 発行

 木島始氏といえば、ラングストン・ヒューズの訳者として有名です。ご自身も詩を書かれたほどですから、当然、詩についての内容もたくさんありました。面白いのは、漢詩についての記述が多かったこと。

 もともとは季刊誌『銀花』に、1980年代から10年間掲載したものをまとめたのが本書なのだそうです。季刊紙ってゆったりです。かつての本の雑誌のように、発売時期が延々と延びたものもありましたが。

 一度の掲載が短いのも特徴。本書でいえば、ほとんどが見開き1ページ分で収まっています。それなのに、必ずといっていいほど数冊を紹介しています。さらに、出版社名があまり知られていないところもみられました。文学書以外もたくさん選んでいます。

p249
『石ころの話』R・V・ディートリック著 滝上由美・滝上豊訳 地人書館
『石を聴く』宇佐見英治著 朝日新聞社
『歴史の中の巨人たち/エクセントリックの系譜』吉村貞司著 作品社