サーバ管理技術入門/企業現場の即戦力育成講座/ネットワーキング入門シリーズ4 笠野英松 翔泳社 2007年5月16日 初版第1刷発行 |
これまで読んできた自宅サーバー構築のための本と比べ、なんとスッキリ書かれていることか。全体の章立てから構成、各項目内の記述等、どれも統一されたわかりやすい作りです。
電化製品やPC類のマニュアルが分厚いくせに、ちっともユーザーにとってわかりやすくなく、下手をすると日本語としてすらなっていないなどとも悪口をたたかれていたことを思い出します。
説明、図、どれをとっても明解と言える部類に入るでしょう。さらに読者が追試する際、同じ結果を求められるような作業手順の記述。意外に、この追試するときに同じ結果が得られる記述がどれだけ少ないか、そのためにいったいどれだけ多くの苦労を強いられてきたことか。
そんなこと、みんなが知っているはず、解っているはず、といういわゆる「お約束」事項が省略されているため、同じ結果が得られず、Linuxサーバー構築を途中で挫折せざるを得ないという人たちが、それこそわんさかといるのではないでしょうか。
Winで稼働する親機から、リモートコントロールして使うLinuxで稼働するサーバー機を作りたい、という目的に沿ってやっていても、なかなか進まないのは何が原因なのか。本書を読むことで抱いた感想として、翻訳書を読んで難しいとき、本当は翻訳の下手なことに原因がある場合が多い、ということを思い出しています。
鬼の首を取ったかのように受け取られてしまうと困りますが、たまたま気づいた本書の瑕瑾ではないのか、というささいなこと。
P171L4 設定には、6.1.8項で説明したcheckconfigを使用します。というところで、6.1.8項というのが本書には見あたりません。目次にも6.1.6までしかありません。
もちろん、後ろの索引でcheckconfigを探すことで解決できましたので、支障ありませんでした。
なぜ今時RedHat9を使った解説書か、たしかに疑問ですが、それでも余りあるものがあります。
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