まず「書いてみる」生活/「読書」だけではもったいない/祥伝社新書055 鷲田小彌太 祥伝社 2006年11月5日 初版第1刷 |
以下の目次を見るとわかるように
第1章 定年後には、読む・書くが似合う
第2章 定年後に、充実した人生を迎えるために、書いてみよう
第3章 定年から書く方法
第4章 活字になってはじめて書く楽しみを堪能できる
第5章 著書のある人生をめざす喜びと自尊
定年後に読書だけでなく、文章を書くことを勧めている本。
p20
それから十五年です。三五歳、著書をもち、定食も得て、確実に読書人の仲間入りを果たしつつあるな、と実感しえたときです。一冊の本に出会いました。偶然です。谷沢永一『読書人の立場』(一九七七年刊)で、著者も未知の人でしたし、装丁もぱっとしない本でした。
p80
た しかに、本を読まなかったら、私は文学部を選ばなかったでしょう。本を読まなかったら、哲学科を選ばなかったでしょう。カントやヘーゲルの本を読まなかっ たら、学生運動くらいはしたかもしれませんが、マルクスやレーニンの本を読み、マルクス主義者になろうとはしなかったでしょう。谷沢永一先生の本に出会わ なかったら、社会主義の衰退に押される形があっても、マルクス主義を棄てきれず、私の友人がたどったように、ずるずると部分的内容変更ですませていったで しょう。
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